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マーケティングのジレンマ・・・No.16  10年以上前から衰退が避けられないとわかっているのに、手を打たない業界がある

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このままでは事業が継続できなくなることが明らかなのに、抜本的に手を打てずにいる業界が存在する。そこには日本が抱える典型的な先送り体質が見て取れる。

このままでは衰退するとわかっているのに、抜本策を打てずに現在に至っている驚くべき業界がある。

日本の新聞の発行部数(一般紙とスポーツ紙の合計)は、2008年には51,491,409部 で1世帯当たり部数は 0.98だったが、2018年には 39,901,576部となり1世帯当たり部数は0.70になり、この10年間で11,589,833部が減少している(日本新聞協会調べ)。

全国紙を個別に見ると、2018年11月の段階で読売新聞の部数は8,950,882部(およそ985万部)、朝日新聞は5,703,165部(およそ570万部)、毎日新聞は2,575,930部(およそ276万部)、日本経済新聞は2,352,951部(およそ235万部)となっている。(日本ABC協会月別販売部数より。この数値は該当半年間における平均値で、朝刊「販売」部数のみで電子版は含まず、紙媒体の新聞販売部数に限定)

各紙は電子版も展開しているが、唯一データを公表している日本経済新聞のデジタル購読数は651,702となっている。(日本経済新聞の日経メディアデータを参照。定期的に電子版の購読数値を公開しているのは日経新聞のみ)

スポーツ新聞を見ると、2008年に4,927,728部(およそ493万部)だったが、2018年には3,078,555部(およそ307万部)と、この10年間に1,849,173部(およそ185万部)も落ち込んでいる。

紙の新聞は読者に届くまでに最長だと24時間以上かかることもあり、すぐに記事にできるネットのスピードにはかなわない。またスポーツ新聞は1面が大きな写真画像で、原稿の文字量は960文字前後(12字×80行程度)という場合もあり、情報量は極めて少ない。報道される主要コンテンツは、プロ野球、Jリーグ、公営競技が中心で、芸能界などのスキャンダルといったトピックスで占められる。

新聞市場の衰退は競合他社との競争よりも、インターネットを使った新たな無料メディアの登場・新聞が提供するコンテンツの魅力低下と報道する姿勢・日刊新聞紙法による既得権(日本の新聞社の株式は、日刊新聞紙法によって譲渡制限が設けられており、買収されない仕組みになっている)の弊害・料金体系と課金モデル・ビジネスモデル、さらには生活者の世代交代による情報リテラシーの高度化などの要因が複合化した結果だ。