価値のジレンマ・・・No.72 AIに代替されない高収入の専門職

アメリカでは2023年から2024年初頭にかけて、AIによってホワイトカラーの約30万人がレイオフされました。その一方、アメリカでは成長著しい職種の35%を占め、2032年までに170万人の新規雇用が見込まれている職種が存在しています。
ブルーカラー職の最大の強みは、AIでは簡単に置き換えられないこと
履歴書作成支援サービス企業「Resume Coach」の最新のレポートによると、ブルーカラー職の仕事は必要不可欠な上に、その需要と給与は大幅に増加しているとのことです。
「ブルーカラー(青い襟)」という言葉は、1920年代半ばに新聞によって作られた言葉で、労働者が着ていた青い作業着に由来しています。ブルーカラー職の仕事はオフィスではなく、工場、倉庫、屋外、現場、建設現場などで行われ、実践的で技術的な特徴を持っています。
ブルーカラー職の最大の強みは、AIでは簡単に置き換えられないという点です。ブルーカラー職の人たちが担う仕事は非常に技術的で専門的ですから、近い将来この仕事の重要性がなくなることはありません。アメリカでは成長著しい職種の35%はブルーカラー職が占め、2032年までに170万人の新規雇用が見込まれるとされています。
ブルーカラー職の仕事が分類上労働者階級にされているからといって、オフィスで仕事をするホワイトカラーの仕事と比較して重要性が低いなどということはありません。ブルーカラー職の仕事は、ホワイトカラーの仕事よりも雇用とキャリアそして経済的にも安定性が高くなっています。アメリカでは2023年から2024年初頭にかけて、AIによってホワイトカラーの約30万人がレイオフされたのを見れば、その強みは明らかです。
さらにResume Coachは「多くのブルーカラーの仕事はインフラや日常生活に不可欠であり、AIによって完全に自動化されたり、置き換えられたりする可能性は低い。電気技師、配管工、建設作業員などの仕事は依然として非常に必要とされており、テクノロジーで簡単に置き換えることはできない」と指摘しています。
ブルーカラー職の特徴的な利点の1つは、学位なしで就ける職種が多いことです。高収入のブルーカラー職の例としては、
・フィールドエンジニア
・核医学検査技師
・原子力技術者
・航空管制官
・電気技師
などが挙げられます。
ブルーカラー職の仕事は、社会と経済にとって不可欠です。彼らはパンデミックなどの危機の際や不況の時にも、産業を稼働させインフラを良好に維持する重要な業務を担っています。専門的なスキル向上と資格取得に取り組めば、高収入のブルーカラー職の仕事を担うことができ、社会に不可欠な生活の維持と向上に貢献することができるわけです。
参考資料:「ブルーカラー」の仕事が持つ魅力、AIに置き換えられることのない専門職 フォーブスJapan