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マーケティングのジレンマ・・・No.100 「地方は生活コストが安い」という見方は、データで見ると必ずしも正しくない!?

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地方は生活コストが安いから、大都市よりも暮らしやすいと信じている人がいます。しかし 総務省「家計調査」などの統計を精査すると、地方は生活コストが安いとは必ずしもいえない消費構造が存在しています。

「地方=安い」という通説は一面的

「地方は生活コストが安い」という常識は、データで見ると必ずしも正しくありません。総務省の「家計調査」などの統計を精査すると、都市と地方の暮らしは物価や所得だけでなく、消費構造の違いがはっきりと表れています。

1. 物価・住宅コストの地域差

・2024年の物価指数は東京都区部が全国平均の104.9 と突出しており、全国平均を5%ほど上回っています。ちなみに九州地方(98.0)との差は約7%です。

・特に住宅コストは大きな差があり、地価は 東京(51.5万円/m²)と、北陸(4.6万円/m²)の10倍以上になっています。

・日常生活費も東京は全国平均より約5%高い一方で、北海道(101.9)や沖縄(106.7)のように地方でも生活費が高い地域が存在しています。

・光熱費は北海道(119.6)や東北(108.6)など寒冷地で突出して高くなっています。

2. 世帯属性の違い

・世帯主の年齢は東京区部で49.8歳ですが、人口5万人未満の小都市・町村では51.2歳と、地方ほど高年齢層が多くなっています。

・共働き率は地方ほど高く、人口5万人未満の小都市・町村では配偶者の有業率(生産年齢人口に占める有業者の割合)が6割を超えます。

・年収700万円未満の世帯は人口5万人未満の小都市・町村では58.4%ですが、東京区部では27.8%。逆に年収1,500万円以上は東京区部で13%と突出しています。

・持ち家率は地方が高く、人口5万人未満の小都市・町村が88.4%に対し東京区部では77.7%とおよそ10ポイントの差があります。また住宅面積も人口5万人未満の小都市・町村が40.7畳に対し、東京区部では33.5畳となっています。

3. 支出構造の差

・消費支出額は都市部が高く、東京区部と人口5万人未満の小都市・町村とでは月7.7万円(年間90万円超)の差があります。

・都市部は高所得を背景に、外食・教養娯楽・教育など「選択的支出」が多く、外食費は東京区部が人口5万人未満の小都市・町村の約2倍となっています。

・地方は「交通・通信」「光熱費」の比率が高く、自動車維持費は東京の 2.5倍 に達します。また寒冷地では暖房費が生活コストを押し上げています。

4. 都市と地方の消費構造

・都市部は高収入層が集中し、サービス消費や教育投資が盛んで、教育支出は全国平均を大幅に上回っています。

・一方、地方は住宅や土地は安いですが、車や光熱費など「基礎的維持コスト」が高く、所得水準も低いため負担感は大きくなっています。

 

こうした結果を俯瞰すると、「地方=安い」という通説は一面的です。

・都市部は住宅費が突出して高いですが、所得も高く、消費の幅が広いことが挙げられます。

・他方、地方は住居面で優位性がある一方、移動やエネルギーなど構造的に避けられないコストを抱えており、所得水準の低さが重なっています。

今後の政策や生活設計には、単なる物価差ではなく、地域の構造的な特性と暮らし方の違いに応じた視点が不可欠なことがわかります。

参考資料:地方で暮らすということ-都市と地方の消費構造の違い ニッセイ基礎研究所