コラム

マーケティングのジレンマ・・・No.102 アメリカの政治が経済統計に介入する時代に、私たちが信じられる指標

掲載URL:https://www.linkedin.com/pulse/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9Eno103-%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E6%94%BF%E6%B2%BB%E3%81%8C%E7%B5%8C%E6%B8%88%E7%B5%B1%E8%A8%88%E3%81%AB%E4%BB%8B%E5%85%A5%E3%81%99%E3%82%8B%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%81%AB%E7%A7%81%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%8C%E4%BF%A1%E3%81%98%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%8C%87%E6%A8%99-mitsuo-sakai-%E9%85%92%E4%BA%95%E5%85%89%E9%9B%84-kkyjc/?trackingId=cpmvO73rlSGHTLwls%2F%2FilQ%3D%3D

コラム リンクトイン

アメリカの失業率やインフレ率は「政治」によるバイアスがかかり、公式統計への不信が高まる中、民間の組織や研究者が発表する「代替経済指標」が注目されています。ではどのような「代替経済指標」があるのでしょうか。

公式統計への不信が高まるなか、代替指標という新たな視点

アメリカの失業率やインフレ率は「事実」ではなく「政治」によるバイアスがかかっています。

2025年現在、アメリカ政府が発表する公式経済統計への信頼は、かつてないほど揺らいでいます。7月の雇用統計が下方修正された直後、トランプ大統領は労働統計局(BLS)局長を「統計はでっちあげだ」と非難し解任してしまいました。後任には、保守系シンクタンク ヘリテージ財団のエコノミストE・J・アントニー氏を指名しました。

ハーバード大学のジェイソン・ファーマンなど多くの経済学者は「極端に党派的で無資格」だと批判しています。この事態を受けて、「失業率やインフレ率などの統計が、政権の都合で改ざんされるのではないか」との懸念が広がっています。

●代替指標という新たな視点

公式統計への不信が高まるなか、民間の組織や研究者が発表する「代替経済指標」が注目されています。

例えば、

・ADP(給与計算サービス企業)賃金データ:労働統計局(BLS)より早く発表される民間雇用データ

・Truflation(トゥルーフレーション)指数:リアルタイムの物価データによるインフレ推計

・Forbes超富裕層生活費指数/The Economistビッグマック指数:生活費や購買力の変化を把握

・スカート丈指数(スカート丈が短くなれば経済は好調で、長くなれば先行きは暗いとする考え方)/口紅効果(エスティ・ローダーの長男のレナード・ローダーは、景気後退の際に口紅の売上が伸びることに気づき、この現象を「口紅効果」と名付けた)/男性下着指数(元FRB議長のグリーンスパンのお気に入りの指標で、お金のない男性は下着をギリギリまで買い替えずに履き続けるという指標)/コーヒーショップ指数(コーヒーショップが繁盛するのは、人々が外でお金を使い、人と会っている証拠だとする指標)/質屋指数(所有物を質に入れる人が増えるのは、経済悪化の兆候という考え方):消費心理や支出傾向を示すユニークな指標

・NASA衛星画像×AI分析:夜間照明や建物分布から地域の経済活動を推定

これらのデータは正確性では公式統計に及びませんが、経済動向を補足する「早期警戒シグナル」としては参考になります。

●データを鵜呑みにせず「複眼視点」で経済を読む

代替指標はあくまで参考情報であり、単独で信じるものではありません。

経済学にはルーカス批判と呼ばれる考えがあり、環境が変化すると過去の相関が崩れやすいと指摘されています。今、求められているのは「ひとつの数字」に依存せず、複数の視点で経済を読む力のようです。

参考資料:スカート丈、衛星画像、ビッグマックの価格 「経済動向をつかむ」11の代替指標 Forbes Japan