マーケティングのジレンマ・・・No.106 アメリカの若者たちが「実家暮らし」に戻っている理由
東京では住宅価格が高騰し、平均的な年収では住宅を取得することが難しくなってきています。この問題はアメリカでも同様で、親と同居する若者たちが増えています。親と同居することで住宅費は抑えることができますが、その一方で見えにくい代償があります。
実家暮らしは住居費を抑えられるというメリットがあるが、見えにくい代償も潜む
アメリカでは、35歳未満で親と同居する若者がこの10年で約150万人増えました。背景にある最大の要因は、大都市の家賃高騰です。都市部の家賃は年4%上昇している一方、賃金の伸びはわずか年0.6%にとどまり、特に新卒や若手が独立して都市に住むことが極めて難しくなっています。
住宅購入のハードルも急上昇しており、住宅価格の中央値は10年で約90%上昇。初めて住宅を購入する平均年齢は31歳から38歳へと大きく上がりました。
●「人生に遅れる」という見えないコスト
実家暮らしには住居費を抑えられるというメリットがありますが、見えにくい代償もあります。
それは、
・出会いが減り、恋愛・結婚・出産が遅れる
・同世代とのネットワークが築きにくく、社交機会が縮小する
・都市部から離れることで、専門職へのアクセスが制限され職業満足度が低下する
という点です。
この「人生で後れを取っている」という感覚は、幸福度や健康にも影響するという指摘もあります。
●住宅不足は個人だけでなく、経済全体の問題
住宅供給の不足は、多くの都市の厳しいゾーニング規制や住民の反対にも起因しています。しかし、規制緩和を行ったオースティンでは住宅建設が急増し、家賃が2年で22%も下落しました。同市では若者の親との同居率も他都市より著しく低くなっています。
一方で住宅不足のままでは、
・才能が都市に集まらず生産性が伸びない
・イノベーションが生まれにくい
・若年層の出産年齢が遅れ、将来の社会保障に影響
といった構造的な問題が生じるとされています。
大都市で住めない若者が実家に戻る現象は、単なる家計問題ではなく、キャリア形成・人間関係・経済全体にまで影響するな問題です。住宅供給を増やし、若者が「住みたい場所で働ける」環境を整えることが、個人の成長と社会の活力を取り戻す鍵になります。
この問題は日本でも東京で起きています。
出典:家賃高騰で「実家暮らし」が急増中!? キャリアも恋愛も遅らせる「見えないコスト」とは Newsweek Japan