マーケティングのジレンマ・・・No.108 ゼロクリック検索時代に、今後企業が踏まえておきたい5つの対応策
ゼロクリック検索の時代で変わったのは、検索エンジンではなく、生活者の行動です。生活者は、「読むために検索する」のではなく、「選ぶために検索する」ようになっています。この流れに対して、企業はどのような施策を打つ必要があるでしょうか。
生活者は「読むために検索する」のではなく、「選ぶために検索する」ようになっている
AI検索の普及により、検索結果をクリックせず、その場で答えを得る「ゼロクリック検索」が急速に増大しています。生活者は、ページを探しているのではなく、できるだけ手間なく答えを得たいからです。
この変化により、これまで有効だったSEOの考え方は、そのままでは通用しにくくなっています。そこで企業にとって今後必要になる取組みを考えると、以下の5点が指摘できます。
1.「検索で読まれる」より、「名前を覚えられる」ことが重要になる
これからの検索では、「どのページが1位か」よりも、「どの会社やブランドの名前が思い浮かぶか」が重要になります。AIは、多くの人に知られ、話題にされ、信頼されている名前を優先して提示します。そのため、SEOはサイト改善の話ではなく、ブランドづくりの話に変わりつつあります。
2.一般的な知識説明は、AIに任せればよい
用語解説や基本知識、一般論の説明は、AIが最も得意とする領域です。こうした情報を一生懸命まとめても、検索流入は増えなくなっていきます。
一方で、次のような情報は、今後も価値が残ります。
・実際の体験や失敗を含む話
・具体的な事例の経緯や結果
・専門家としての判断や考え方
・独自に集めたデータや資料
つまり、答えそのものではなく、考える材料を提供することが重要になります。
3.AIに評価される前に、人に評価される状態をつくる
AIは、企業の公式サイトだけを見て評価しているわけではありません。口コミ、レビュー、メディアでの言及、業界内での評判など、人の評価の積み重ねを見ています。
そのため、今後は次のような活動がより重要になります。
・利用者に話題にしてもらう
・第三者のメディアに取り上げてもらう
・業界や地域で実績を積み重ねる
SEOは、裏側の技術対策ではなく、表側の社会的活動に近づいています。
4.クリックされるのは「指名検索」だけになる可能性が高い
AI検索時代の流れは、次のようにシンプルになります。
・課題に気づく
・AI検索で候補を知る
・名前を覚える
・会社名で検索して、最後にサイトを見る
つまり、サイトが見られるのは最後だけという前提で考える必要があります。そのため、自社名で検索して訪れた生活者に対し、「ここなら安心できる」「ここに頼もう」と思わせる情報を用意することが重要になってきます。
5.「AIに引用されること」自体を目標にしない
AIに引用されても、そこからクリックされることはほとんどありません。大切なのは、引用されることではなく、AIや人からおすすめされ、名前を覚えてもらうことです。
ゼロクリック検索の時代で変わったのは、検索エンジンではなく、生活者の行動です。生活者は、「読むために検索する」のではなく、「選ぶために検索する」ようになっています。これからのSEOは、うまく書かれたページを増やすことではなく、選ばれ、語られる企業になることが中心になります。