コラム

マーケティングのジレンマ・・・No.110 AI時代に企業から選ばれるコンサルティング会社の条件

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コラム リンクトイン

AIの活用が本格的に導入され、企業活動の中核に入りつつある中、コンサルティング会社の役割は大きく変化しています。こうしたAIの時代に、企業からはどのようなコンサルティング会社が選ばれる条件になるでしょうか。

コンサルティング会社に社会が求める価値は、「立派な計画書」から「組織の働き方そのものを変える実行支援」へと移行している

AIの活用が試験導入の段階を終え、企業活動の中核に入りつつある中、コンサルティング会社の役割は大きく変化しています。これまでのように「助言があれば便利」という存在ではなく、不確実性の高い環境の中で、実際に動く仕組みを共に構築できる「不可欠なパートナー」であることが求められています。

フォーブスの記事では、こうした変化を背景に、IDC(※1)やForrester(※2)といった主要アナリストが2025年後半に行った評価で、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)が戦略、DX、顧客体験、AIサービスなど複数分野で一貫して「リーダー」に選ばれた点に注目しています。重要なのは、単に大手であることではなく、AI時代特有の不確実性に対応できる実行力が評価されている点です。

従来のDXは、ITの刷新やクラウド移行、業務プロセスの再設計といった定型的な手順で進められてきました。しかしAIが意思決定や業務の進め方そのものに影響を与えるようになると、あらかじめ決められたロードマップやテンプレートはすぐに陳腐化します。Forresterは、完成図を押し付けるのではなく、クライアントと共に試行錯誤しながら進める探索型のアプローチが、AI主導の変革では重要になると指摘しています。

またIDCは、BCGが戦略、テクノロジー、組織変革を統合し、大規模展開と企業文化の整合を同時に進める力を高く評価しています。AI導入で本当に難しいのは技術そのものではなく、意思決定の仕組みやインセンティブ、信頼といった「人と組織」の変革であるという認識が、評価の背景にあります。

さらにフォーブスの記事が強調しているのは「統合」の重要性です。AIを単独のサービスとして提供するのではなく、業務プロセスや組織設計と一体で組み込むことだとしており、将来的には、AIエージェントが自律的に業務を調整する「エージェント駆動型」モデルへの移行も視野に入っています。BCG自身が社内でAIを日常的に使い、その限界や実務上の課題を理解している点も、机上の理論にとどまらない強みとして紹介されています。

記事は同時に、アナリスト評価が将来の成功を保証するものではないことにも触れています。しかし評価が一致したという事実は、市場がコンサルティング会社に求める価値が「立派な計画書」から「組織の働き方そのものを変える実行支援」へと移行していることを示す指標といえます。

AI時代に企業から選ばれるコンサルティング会社とは、助言者にとどまらず、生活者や組織の現場に入り込み、変化を実装できるパートナーです。フォーブスの記事は、その基準が明確に変わり始めていることを示唆しています。

※1 IDC(International Data Corporation)

アメリカに本社を置く市場調査・アドバイザリー会社で、主にITやテクノロジー分野の動向、競合状況、将来予測などのデータと分析を提供しています。企業はIDCのレポートや評価を参考にして、技術投資や製品選定の判断を行います。

※2 Forrester(Forrester Research, Inc.)

アメリカ発のリサーチ&アドバイザリー企業で、企業のデジタル戦略、顧客体験、技術活用などについて独自調査や提言を行います。企業の意思決定を支援するレポートや評価を世界中の大企業が利用しています。

出典:「AI時代に選ばれるコンサルティング会社の条件とは」Forbes JAPAN