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マーケティングのジレンマ・・・No.116 地方の人口減少の本質は「女性流出」にある

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女性が離れていく地域に、未来はありません。企業経営も同じですが、市場が縮小する地域では、ビジネスの持続性も失われます。人口問題は、単なる行政課題ではなく、地域市場の未来を左右する「マーケットの問題」になっています。

女性が離れていく地域に、未来はない!?

総務省が公表した2025年の「住民基本台帳人口移動報告」によると、日本では40道府県で人口の社会減(転出超過)が続いています。人口が増えているのは、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・大阪府・福岡県・滋賀県の7都府県だけです。つまり日本の人口移動は、依然として大都市圏への集中が続いています。

しかし、このデータの中で最も重要なポイントは別のところにあります。それは、地方からの人口流出の中心が女性であるという事実です。ニッセイ基礎研究所の分析によると、社会減となった40道府県のうち、34道府県(85%)で女性の流出が男性を上回り、女性の流出数は男性の1.34倍に達しています。この傾向は偶然ではありません。人口移動には一つの法則があります。

●人口移動は、まず女性から始まる。

「就職、キャリア、生活環境などを求めて女性が都市に移動し、その後に男性が移動する」という構造はバブル期以降、長く続いています。問題は、この動きが出生数にも直結することです。

女性が地方から流出すれば、その地域では子どもが生まれません。結果として、地方では人口減少が加速していきます。ここで重要なのは、この問題を単なる人口問題として見るのではなく、市場構造の問題として見る視点です。

人口が減るということは、その地域の

・消費市場

・労働市場

・住宅市場

・教育市場

のすべてが縮小することになります。しかも、流出しているのは若年女性です。これはマーケティングの視点から見ると、将来の消費の中心層が消えていることを意味します。

地方創生という言葉は長く使われてきましたが、現実には多くの地域で

・男性雇用中心

・製造業中心

・中高年中心

の政策設計が続いてきました。しかし人口データが示しているのは、もっとシンプルな事実です。

女性が残らない地域に、人口の未来はありません。企業経営でも同じですが、市場が縮小する地域では、ビジネスの持続性も失われます。人口問題は、単なる行政課題ではなく、地域市場の未来を左右する「マーケットの問題」でもあるわけです。地方の未来を考えるとき、これから問われるのは、若い女性が働き、暮らし、家庭を持ちたいと思える地域をつくれるかという一点なのかもしれません。

出典:総務省「住民基本台帳人口移動報告(2025年)」                   
ニッセイ基礎研究所「2025年国内移動社会減 都道府県ランキング」