マーケティングのジレンマ・・・No.89 AIでモデリング・生成したアバターである「AIライバー」を活用する

インドネシアの人口は約40%が30歳以下で、フィリピンは人口の過半数が24歳以下です。またベトナムも平均年齢が30歳前後で、急速な経済成長と中産階級の拡大で大きな市場として注目されています。この東南アジアのEC市場では、ライブ配信で商品を紹介する「ライブコマース」の中で新たな取組みが始まっています。
東南アジアのEC市場に登場した、人間ではなくAIが生成したアバターによる「AIライバー」
東南アジアのEC市場では、ライブ配信で商品を紹介する「ライブコマース」が主流です。ライブコマースとは、インターネット上でライブ配信を通じて商品を紹介し、視聴者がリアルタイムで購入できるECチャネルです。
ライブコマースを行う「ライバー」と呼ばれるナビゲーターは、商品の使い方や特長をリアルタイムで説明します。コマースの視聴者はリアルタイムにコメントや質問を送るといった双方向のコミュニケーションが可能なため、従来のECサイトよりも購買意欲が高まる傾向があるようです。ライバーは、東南アジアではインフルエンサーや配信者ではなくプロフェッショナルな職業として認識されており、専門的な商品知識、魅力的なプレゼンテーション、視聴者との親密な関係性構築が要求されます。そのため人気のあるライバーは高額な報酬を得る人もいます。
売上げを上げたい企業の課題は、限られた予算内で最適なライバーを起用することです。その解決策として注目されているのが、人間ではなくAIでモデリング・生成したアバターである「AIライバー」の活用です。
AIライバーは人間と違い24時間稼働でき、インプレッションが最も高いとされるPM6:00~AM4:00といった夜間に、コストを抑えつつ効果的に運用でき、人件費や運営コストの削減も可能になります。台本の内容を変更したい場合、人の場合と違い、AIライバーを活用したライブコマースはスクリプトを変更するだけで済み、動画の場合は撮り直しが必要ですが、フレキシブルに対応できるのがメリットです。
ライバーのような新しい職業が生まれても、AIに代替されてしまうことを、私たちは記憶しておく必要があります。
参考資料:日本と「全然違う」東南アジアEC事情、TikTokの「ある機能」が大人気のワケ2024/10/10 ビジネス+IT