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マーケティングのジレンマ・・・No.90 食生活に老化は忍び寄る

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最近料理するのが億劫だな。外食の際にもう大盛りを注文できなくなった。焼肉を以前の様に食べたくないな。もしこんな兆候があれば、胃袋の定年が近づいているかもしれません。

大盛りを注文することができなくなるのは、44歳1ヶ月

博報堂生活総合研究所は料理を作る寿命について「食に関する生活者調査2024」(首都圏・阪神圏・名古屋圏/20~69歳男女1500人/インターネット調査/2024年2・3月実施)を実施し、同時に「調理定年」への賛否も尋ねています。

その調査結果を見ると、

●料理をするのが気持ち的に面倒になり、作らなくなるのは、 56歳5ヶ月。

●料理をするのが体力的につらくなり、作らなくなるのは、 63歳1ヶ月。

●大盛りを注文することができなくなるのは、44歳1ヶ月。

●行列してまでラーメンを食べようと思わなくなるなるのは、45歳3ヶ月。

●焼肉はヘビーに感じて食べたいと思わなくなるのは、 50歳11ヶ月。

という結果でした。

また「調理済み食品は作るより多種多様な料理を楽しめる」「ひとりなら作るより調理済み食品の方が経済的だ」「調理済み食品の方が家で作るよりおいしい」という回答は4割を超えています。

「調理済み食品をよく使う方だ」と答えた人は全世代で増加し、年齢による価値観の差は小さくなっています。老いも若きも、男性も女性も調理済み食品を活用していることがわかります。

調理済み食品の伸長は、肉体的に調理が困難になる「高齢者」、自分ひとりで何でもすることになる「ひとり暮らし」、家事や子育て・仕事に追われる「共働き家族」の存在があり、こうした人たちは今後も増えることが予想できます。

人口と世帯の構造変化やデジタル化に伴い、「何でもセルフ化社会」が加わる生活環境は今後も続き、調理の手間を省いてくれる調理済み食品は、これからも支持されていくはずです。