マーケティングのジレンマ・・・No.99 「時間」を買う時代に向けたハイエンドブランドの新たな進化
世界的なインフレの影響でハイエンドブランドの売上が鈍化する中、ラグジュアリー企業は、“モノ”ではなく“瞬間”を楽しむ時代へ注力を開始しています。
ハイエンドブランド品の売上が鈍化する中、ラグジュアリー企業は、“モノ”ではなく“瞬間”を売る事業を強化
世界的なインフレの影響で、ハイエンドブランド品の売上が鈍化しています。2023年のラグジュアリー市場は前年比2%の減少となり、特に中国市場やZ世代の需要低迷が影響しています。
一方、「物」よりも「体験」への志向が強まっており、美食・高級レストランは前年比8%増、ヨットやプライベートジェットの利用は13%増となっています。こうした流れを背景に、LVMHは旅行事業への投資を強化。アメリカのプライベートジェット企業「フレックスジェット」へ約1,200億円を投じ、「時間を買う」という新しい価値観に応えようとしています。
また、LVMH傘下の高級ホテル「ベルモンド」や「ブルガリ」などと連携し、空と陸をまたいだシームレスなラグジュアリー体験の提供を進めています。フレックスジェットの会長は「未来のラグジュアリーは“時間”そのもの」と語り、単なる所有から“意味ある時間”へと価値軸が移っていることを示唆しています。
さらにドルチェ&ガッバーナやバーバリーなど多くのブランドがホテルとの期間限定のコラボレーションを展開しています。イタリア・シチリア島の「フォーシーズンズ」では、パラソルやナプキンまでドルチェ&ガッバーナ柄で統一して、滞在を華やかに演出。SNSを通じた「映える体験」がブランド価値を高めています。
ラグジュアリーは、“モノ”から“瞬間”を楽しむ時代へシフトしているようです。ブランドとホテルが協力し、「今だけ」「ここだけ」の特別な体験を提供する動きは今後も広がっていきそうです。
参考資料:業績が低迷する高級ブランド各社が相次いで参入する「新たな産業」 クーリエ・ジャポン