価値のジレンマ・・・No.102 新卒者の失業率が急上昇した原因と「アメリカ社会の衝撃」
コラム
リンクトイン
アメリカの株価は史上最高値圏で安定しているのに、雇用が悪化しています。その理由は景気後退ではなく「AIによる職の代替」だと考えられています。
「AIが若者たちの職を奪う」という切実な懸念
●雇用統計の悪化と新卒者失業率の異常値
アメリカの雇用統計は7月から8月にかけて低迷し、8月の失業率は4.3%と4年間で最悪水準になりました。特に新卒者の失業率が異常に高いことがニューヨーク連銀の指摘で明らかになり、社会に大きな衝撃を与えています。
●背景にあるのは景気後退ではなくAIの浸透
株価は史上最高値圏で安定しているため、雇用悪化は単なる景気後退ではなく「AIによる職の代替」が要因と考えられています。会計・法務・監査などの文書管理・カスタマーサービスの現場管理、さらには初級プログラマーまで、知的労働の初級職がAIに急速に置き換えられています。Z世代を中心に、就職難がAIによって生じています。
●政治の対応と課題
トランプ政権は移民抑制や職業訓練への投資などで国内雇用の確保を狙っていますが、AI・ロボティクス時代に即した高度人材の育成体制は不十分です。民主党はAI規制や労働保護に分かれ、左派はベーシックインカムや公共部門の強化を主張していますが、いずれも決定的な解決策には見えていません。
●AIに職を奪われる時代の現実化
かつてアメリカの若者の最大関心事は環境問題でしたが、いまや「AIが自分たちの職を奪う」という切実な懸念に移り変わってきています。2026年の中間選挙や2028年の大統領選に向けて、AI雇用対策を明確に打ち出す政治勢力が台頭する可能性が高まっています。
参考資料:AI就職氷河期が米Z世代を直撃している ニューズウィーク日本版