価値のジレンマ・・・No.76 社会的な成功の度合いと、人に与える感じの良さとの間には、相関関係がある

明るく挨拶する人。笑顔に溢れている人。穏やかで好印象を与える人。分け隔てなく他人に親切にできる人。こうした人たちに出会うと、私たちはとても幸せな気持ちになります。感じが良い人だという印象を与える人物は、成功の度合いが高いそうです。そこにはどのような相関関係があるのでしょうか。
人に与える感じの良さは、社会的な成功と深い相関関係がある
民度の高いエリアやマンションでは住民同士が明るく挨拶を交わし、宅配便の人たちや管理している人、清掃をしてくている人たちとも親しみを込めた挨拶や会釈を交わしていることが多いことに気付きます。反対に住民同士で挨拶もせず、不機嫌そうな人たちが多いところは、民度が低いエリアや集合住宅が多いように感じます。
社会的な成功の度合いと感じの良さとの間には、深い相関関係があるのだと、精神科医の和田秀樹氏が指摘しています。ポジティブな考え方や行動、そして表情は、人の幸福に通じるものがあり、社会的な成功や良好な対人関係を築く上で、明るく朗らかに過ごすことは欠かせないそうです。
自身の感情をコントロールできず、いつも不満げな表情を浮かべている人を見かけることあります。こうした人は、人から避けられてしまいます。私たち男性はともすれば無意識に表情が硬くなってしまうことがあり、誤った印象を人に与えてしまうことがあるかもしれません。高齢者でいつも不機嫌そうな人がいますが、加齢しているのに「人間的に未熟な人」という印象を周囲に与えてしまいます。
意識的に自分の気持ちが明るくなるような考え方を取り入れ、喜びを感じられるような思考や行動を取ると、確かに日々を幸せを感じられるように思います。そして公私に渡り、人の輪が広がっていくようです。
アメリカの臨床心理学者カール・ロジャーズ氏が、カウンセリングやコーチングの技法として、「傾聴」「受容(相手が話す内容を受け入れること)」「共感」を挙げていますが、「感じ良く接する」という行為にはこの3つの要素が内包されていると、同じく和田秀樹氏が述べています。
「よい気分」とは、自然と湧き上がってくることもありますが、意図的につくることが必要なのだとここで気付きます。