価値のジレンマ・・・No.77 これまでは「言わせておけばいい」と容認していた男性たちが、「男性差別だ」と声を上げた
コラム
リンクトイン

女性から男性に対する批判は容認されることが多かったせいか、メディアやSNSでは男性に対して言いたい放題のコメントが流されることがよくありました。しかし「男性差別だ」という声が男性たちから上がったことは、女性から男性へは何を言ってもスルーされるという風潮に一石を投じました。
女性から男性へは何を指摘しても容認されるという風潮の終わりの始まり
2024年夏に女性フリーアナウンサーが「夏場の男性の匂いや不摂生してる方特有の体臭が苦手すぎる」とあからさまに指摘したSNSの投稿に対して、男性たちから批判が殺到。ご本人はすぐに釈明し謝罪しましたが「男性差別だ」という批判は収まることがなく、発言した女性は所属事務所から契約を解消されてしまいました。
また同年8月にTBSの『News23』で、出演していたドイツと日本のハーフモデルのタレントが自民党総裁選のポスターを評して「おじさんの詰め合わせ」などと発言し、同じく「男性差別」だという声が上がりました。
これまで男性は女性から批判されても、その声に対して荒立てることは少なく、言わせておけばいいといった寛容な姿勢でスルーしてきまた。その一方、女性に対する男性からの指摘や、男女の役割について旧来型の固定観念にとらわれた広告表現などには、女性から批判が高まる傾向が強まっていました。
男性に対する批判が容認されることが多かったせいか、メディアやSNSでは女性から男性に対して言いたい放題のコメントが流れることがよくありました。しかし今回「男性差別だ」という声が男性たちから上がったことは、女性から男性へは何を指摘しても容認されるという風潮に一石を投じました。
男性を批判しても、その発言が容認されるのは本来は男性だけでしょう。そして女性を批判しても、それが容認されるのは女性だけなのだと思い至ります。