価値のジレンマ・・・No.78 ネット上で攻撃的な人は増えていない!?
掲載URL:https://www.linkedin.com/in/mitsuo-sakai/recent-activity/all/

ひとたび炎上すると、ネット上の書き込み数が膨大になることから、多くの人が非難しているように思いがちです。ところがその実態は大きく異なっていました。
炎上させるのは一部の人で、ネットユーザー全体の0.00025%で、「40万人に1人」いう極めて少数
2023年の1年間で発生した炎上は1,583件で、ネット上では1日あたり4件以上の炎上が起こっている計算になります。
炎上が起こったとき、X上にどのくらいの人がネガティブな書き込みをしたのかについて、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授の山口真一さんが調査しています。その調査結果によると、炎上の火をくべていたのはごく一部の人で、ネットユーザー全体の0.00025%で、「40万人に1人」いう極めて少数だったのです。
炎上すると書き込み数が膨大になるため、多くの人が非難しているように思いがちですが、ネットユーザーの40万人に1人くらいの少数意見が大量に発信されているにすぎませんでした。ちなみに誹謗中傷で裁判になった事例を見ると、被告の男性は1人で数百以上のXのアカウントを持って大量の誹謗中傷コメントを投稿していたことが判明しています。
気になるのは、どんな人が炎上させているかです。ネットのヘビーユーザーである若者に加え、主任以上の管理職が少なくないことも判明しています。同調査では、炎上に参加した人の中で主任・係長クラス以上は31%という比率でした。また炎上を起こす人は、おおむね裕福だそうです。
しかしその内面には特徴的な部分があり、「協調性が低いタイプ」や「人や社会に対して否定的で攻撃的なタイプ」がその典型だそうです。
そんな人たちが、自分の正義感や価値観が正しいと思い込み、炎上の火をつけているようです。中には陰謀論が好きな人も一定数存在し、自分だけが知っているという優越感から、承認欲求を満たすために炎上させるケースがあるそうです。
優越感と承認欲求とは、深い因果関係があるのですね。
参考資料:炎上に火をくべる人は「40万人に1人」しかいない…「ネットで攻撃的な人が増えている」がウソである理由 プレジデントオンライン