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価値のジレンマ・・・No.86 ハーバード大学では世帯年収が20万ドル(約2980万円)以下の家庭出身の学生の授業料が無償化される

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日本でも経済的な理由で奨学金を利用する学生が相当数存在しますが、返済が必要な貸与型奨学金を利用する人が多く、社会人になってからその返済に苦しめられています。海外に留学しようと思っても、為替レートが現在のような円安では、海外で学費と生活費を負担できるのはかなり恵まれた家庭環境の人に限られてしまいます。そんな中でハーバード大学から朗報が入りました!

有能な人材には、学ぶ機会を均等に与えるという名門大学の本気度

ハーバード大学は2024年3月17日に、世帯年収が20万ドル(約2,980万円)以下の家庭環境にある学生に対し、2025年度以降の授業料を無料にすると発表しました。さらに年収が10万ドル(約1490万円)以下の家庭環境の学生に対しては、授業料だけでなく食費や住居費、健康保険、渡航費を含むすべての費用を大学側が負担し、大学に通うための費用を完全に無料にします。

加えてこれらの学生には入学初年度には2,000ドル(約29万8000円)の補助金、そして3年生時点で2,000ドルの卒業準備補助金も支給されます。こうした財政支援によって、アメリカの約86%の家庭がハーバード大学の経済支援の対象になります。

ちなみにハーバード大学は2007年に学生ローンを廃止し、すべての経済的支援を給付型の奨学金にする方針に変更し、家庭の支払い能力を判断する際に住宅の資産価値を考慮しないという措置も導入されています。同大学では2025~2026年度の財政支援予算として、2億7,500万ドル(約410億円)を用意したと発表しています。

なおマサチューセッツ工科大学(MIT)やペンシルベニア大学、ダートマス大学でも同じ様な経済的支援を学生たちに提供しています。

有能な人材には、学ぶ機会を均等に与えるという名門大学の本気度が伝わってきます。

出典:米ハーバード大、年収3000万円以下の家庭に対し「授業料を無料化」 フォーブスJapan