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価値のジレンマ・・・No.88 女性から選ばれず、転出してしまう県

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日本の地方都市で人口減少は大きな問題になっていますが、その中でも学校を卒業した女性が地元に留まらず他のエリアに転出してしまう現象が課題です。この動きは、ローカルで未婚の男性が多いことにも繋がっています。

女性に選ばれない県が抱えている課題

総務省の「住民基本台帳人口移動報告」2024年の年報によれば、2024年の都道府県における転入超過数(転入数―転出数)が明らかになりました。国内移動合計(日本人+外国人)で最も人口を移動純減させたのは広島県で-1万711人で、4年連続の1位です。

社会減(国内移動純減)エリアは男性よりも女性の方が多く減っている傾向に変わりはなく、2024年も40社会減エリア中32エリア(80%)が男性よりも女性が減少しています。

社会減で男女のアンバランス度合いをみると、栃木県が女性だけを1,000人以上減らしており、残念ながら女性に選ばれない県になっています。また群馬県も男性の32倍と男女がアンバランスで、女性減になっています。女性減が男性減の3倍を超えているのは熊本県、宮崎県で、2倍を超えているのは北海道、大分県です。このことから、北関東、九州、北海道の順で女性減になっていることがわかります。

「男女関係なく地元を就職で選ばなくなってくる傾向は、今後拡大していくのではないか」と、このレポートを作成したニッセイ基礎研究所の天野 馨南子さんは指摘しています。

出典:【地方創生・人口動態データ速報】2024年 社会減(国内移動純減)都道府県ワーストランキング-日本人と外国人の合計で移動純減は40エリア  ニッセイ基礎研究所