価値のジレンマ・・・No.90 マッキンゼーはAIで資料作成の効率を劇的に改善
コラム
リンクトイン

人がやるべき仕事と、AIに任せるべき仕事は何か。これは近未来に私たちが直面する課題です。そのひとつの解となる取り組みが、マッキンゼーで始まっています。
人がやるべき仕事と、AIに任せるべき仕事。その再定義は、すでに始まっています。
マッキンゼー・アンド・カンパニーが、社内向けの生成AIプラットフォーム「Lilli(リリ)」を活用し、提案書やプレゼン資料の作成業務を大幅に効率化しています。
リリは、パワーポイント資料の自動作成や、レポートの「トーン(文調)調整」までこなす高度なAIエージェントです。これまで若手社員が担っていた作業をAIが代替できるレベルにまで進化しており、現在では社員の75%以上が毎月活用しています。
社外のAIツール(例えばChatGPT)も使用可能ですが、顧客に関する機密情報の取り扱いはLilliに限定されています。社内知識データベースと統合された安全設計だからです。
リリの名称は、1945年にマッキンゼー初の女性プロフェッショナルとして入社したリリアン・ドンブロウスキー氏に由来しています。
同社のAI責任者ケイト・スメイジ氏は、「資料作成のためだけに多数のアナリストを配置する必要があるか?その答えはNOだ。テクノロジーが担えば、アナリストはもっと価値ある仕事に集中できる」と語っています。
人がやるべき仕事と、AIに任せるべき仕事。その再定義は、すでに始まっています。
出典:Bloomberg