現在開発が進められている人型ロボットは、従来の産業用ロボットのような専用スペースが必要ではなく、既存の労働環境に導入できます。24時間稼働して「3K業務」が代替というメリットがあるため、人手不足解消や安全性向上に期待されています。
人型ロボットの導入でアメリカでは建設・製造・農業などの職種の約75%が影響を受ける一方、新たな職種も生まれる
テスラの人型ロボット「Optimus(オプティマス)」は、卵を割るような繊細な作業も可能で、2026年には10万体の生産を計画しており、物流業や製造業での活用が想定されています。メルセデス・ベンツはヒューマノイドロボット専門企業のApptronik(アプトロニック)社の「Apollo(アポロ)」を試験導入し、同社の生産ラインで部品運搬を担っています。またAgility Robotics(アジリティ・ロボティクス)社の「Digit(ディジット)」は物流倉庫での実証実験を進めており、中国BYDは500体の「Walker S1」を導入予定で、視覚検査・部品運搬・組立・ネジ締めなどを担わせる計画です。
これらの人型ロボットは産業用ロボットのように専用スペースが必要でなく、既存の職場環境に導入でき、24時間稼働して「3K業務」が代替可能なため、人手不足解消や安全性向上に期待されています。
一方で、現状の課題は稼働時間(2〜5時間)、高コスト(1台15万〜20万ドル)、複雑な状況判断や接客能力の不足、安全基準や法整備の遅れなどが存在しています。ただし価格面ではUnitreeのR1が5,900ドルで登場し、低価格化の兆しも見えています。
モルガン・スタンレーの試算では、アメリカでは建設・製造・農業などの職種の約75%が影響を受けると予測しています。歴史的にみると、技術革新は新たな雇用も生み出してきています。ロボットの導入によって新たな職種として登場しているのが、ロボットの管理、メンテナンス、タスクの最適化を担う専門家などで、その需要は急速に拡大しており、「ロボットオペレーター」という新たな職種が誕生しています。
人型ロボットを導入する際には、リスキリングと配置転換が鍵になりそうです。専門家は「本格普及は2年後、まず製造・物流から」という見方を示しています。
参考資料:AIどころではない……2年後に人型ロボット「爆発的普及」で75%の雇用が終了 ビジネス+IT
画像はApptronikのXの投稿より転載